タテとヨコとは?

タテとヨコとは?

トップダウンのタテ型組織、現場に大きな裁量権を与えるヨコ型組織

三菱商事は組織力を重視し、三井物産は現場に裁量権を与える体制をとってきた。

伊藤忠商事はカンパニー制を、住友商事・丸紅は部門制を採用。

タテの三菱商事、ヨコの三井物産

商社では、かつて「タテの三菱商事、ヨコの三井物産」とよく言われた。

タテとヨコとは、営業の組織体制の特徴を示したもので、タテ型組織とは、営業部門またはグループ→営業本部→営業部と、営業部門ごとにタテの指揮命令系統が明確なトップダウン型組織である。一方、ヨコ型組織とは、社長に直結する営業部に大きな裁量権を与え、現場が自由奔放に展開できるフラット

型組織である。

三菱商事は営業のタテの権限が強いのが特徴で、海外店の駐在員も背番号のある出身グループの指揮命令系統下にあり、東京本社の意向に沿って動いている。また、海外の事業会社は、多くがその会社の所在地域にある現地法人の主管ではなく、東京本社の営業グループの主管である。このため、商事では、現地法人の社長や駐在員事務所長は「下宿屋の主人」と榔撤された。

一方、三井物産は、戦前から伝統を受け継いだ部店独算制と呼ばれる体制を敷き、規模の大きな営業部の部長が現場で予算・決算責任から投融資、人事までの一切の責任を負っていた。この制度では、国内店、海外店は場所長が利益責任を負い、派遣員や駐在員は所属する場所長の指揮命令権の傘下に入り、一時的に背番号が変わることになる。また、海外の有力事業会社の多くは、所在する地域の現地法人が主管している。

この伝統のある部店独算制も、本部制の導入により本部店独算制に改められ、2004年、国内店については独算制を廃止して、営業部門がタテで見るようになり、100年の歴史を有した制度もついに幕を下ろした。やはり、国内店は公共投資の減少などで厳しい状況にあり、営業部に組み込みタテで展開したほうが効率的と経営が判断したのだろう。

各社の組織体制

タテで組織の指揮命令系統がしっかりしている三菱商事が「組織の三菱」と呼ばれたのに対し、部店独算制で現場の裁量権を大きくしていた三井物産は、若手社員までが考えながら動く企業文化を醸成し「人の三井」と言われるようになった。

サッカーにたとえると、商事が組織プレーを行なう欧州タイプで、物産はスーパープレーヤーが個人技で他を圧倒する南米タイプと言えよう。

他の大手商社は、伊藤忠商事がカンパニー制を敷く一方で、住友商事と丸紅は部門制を敷いており、ほとんどタテ型の組織体制となっている。

ただし、海外店の経営は、東京からコントロールするよりも、現地駐在員に権限を与え、迅速な判断をしたほうがグローバルな競争時代に合っている。このため、営業主管の事業会社に現地法人が指導を行なうなど、タテとヨコが融和した経営が多い。

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